肉屋のショーネン

2009年01月12日 23:59

009.jpg

ショッピングセンターにある肉屋はやたらめったら込んでいた。
はかり売りをしてくれるので、さらにやたらめったら安いもので、
僕みたいな独り身にはやたらとありがたい存在なのだ。
その日、豚の切り落としなんてグラム68円だった。
カウンターの中ではおっちゃん、おばちゃん、若いねーちゃんに混じって、
これまた美しいショーネンが働いていたりする訳である。
ま、恐らく高校生か大学生のアルバイト、といったところか。
応対してくれるのがおばちゃんなら、
「豚切り落とし、100、だけで」
で済ンじゃうのに、たまたまこのショーネンが応対してくれたりすると、
「豚切り落とし、400、と、鶏つみれ200、レバー200。。。。」
と意味も無く余計に買い込んでみたり、する(笑)
そしてチラリと名札を確認したりしてみれば、
どっかで聞いたことのある、珍しい名字であったりした。
朝から同僚と街を歩いてると、
住宅街の真ん中で、とある事故現場に遭遇した。
「あーあ、新年早々気の毒な爺ちゃんや」
と同僚は笑ったが、
僕は笑うに笑えなかった。
その爺ちゃんは警官の事情聴取をうけていたし、
当然のことながら声をかける訳にもいかない。
「俺、あの人知ってるわ」
現場を通り過ぎて、僕は言った。
「18の時に熱燗がヘタクソってやかん投げつけられた」
「何じゃそりゃ」
同僚が呆れた声を出す。
まあ単に酒癖が悪いだけの話で、
その仕事に関わっていた間は一緒に飲む間柄であったのだが、
それこそ十年ぶりに顔を見たのがそんな現場であることに、
何だか苦いモノがよぎったりした。

相変わらず色黒坊主頭とふたりで仕事してたりして、
あくまで休憩時間に(笑)
ちょこっとクルマの話になったりして、
「○○ン家の長男坊がそれに乗ってる」
と奴が言い出して、
「それはあの婆さんの家か」
と聞けば「そうだ」と言う。
「何か知らんけど、すんげー前にその家にお邪魔したことがあるわ」
僕は言った。

それこそ18だか19だか、そんな頃だ。
GW中だけ、そんな条件で一人の高校生がアルバイトにやってきた。
彼自身、色んな問題を抱えた少年だった。
けど、年が近かったこともあって、
二人で酒飲んだりして(駄目ですぞ)、
それなりに盛り上がったりした。。
で、バイトが終わったあと先輩のクルマで彼を見送りに駅まで行った。
三人で飯を食べて彼と別れ、
僕はとある自転車屋でクルマをおりた。
その時もまた、僕は自転車を買った。
TREKのマウンテンバイク。
職場は30キロ先で、わくわくしながらペダルを踏み出した。

街中を颯爽と駆け抜けて、
田んぼの中を突っ切り、
山道に差し掛かって、
覚悟はしていたが最後の強烈な上りでヘロヘロになっていて、
あー、あかん、と自転車を押して歩き出した時のことだ。
下校中の小学生がいつしか僕の後ろを歩いてた。
「乗せてーな」
と、彼は言った。
僕はその小学生をサドルに乗せて、
押して歩きながら家まで送っていった。
この集落は名字がみんな同じだったりして、
名札には名前の方が大きく記されたりするのだが、
その時は、僕のオジさんと同じ名前なんやなーと思っただけだった。
家まで送ると、
その家がこの地方ではそれなりに有名な婆さんの家だったりした。
よくよくテレビでお見かけする婆さんである。
そんな婆さんにやたらと恐縮されて、
お茶の一杯まで御馳走になって、
その家を後にしたのだ。

そう、そんな話をその集落に住んでいる色黒坊主頭に話をしたら、
「あいつ、そこの肉屋でバイトしてますよ」
などと言い出すではないか。
名前を聞けば間違いない、
僕のオジさんと同じ名前だ。
珍しい名字も、何か引っかかってたのも分かる。
年齢も恐らく間違いない。
あの肉屋のショーネン、いや、セーネンだ。

僕の口から、当時のコトを覚えてるかい?なんてことはまずないだろう。
でも、今度、彼が「お待ちのお客様」って言ってくれたなら、
「181番の(スキヤキ肉)500で」
って答えようと思っていたりする(笑)。


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コメント

  1. | |

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  2. Kazt | URL | -

    *さんへ

    おはようございます。
    ホントに若い子たちの成長には目を奪われますよね(笑)
    そして急に老け込んで行く様子にも。。。(涙)

    僕も、走ってやろうかな、
    と考えてるんです。
    雪がなくなれば、、、、なーんて言ってるから駄目なんでしょうけど。。。

  3. けい | URL | -

    カッコ良く

    年上年下に関わらず、久しぶりに再会した時、ドキッとするくらい良い感じに変わってる人、居ますよねぇ。逆に僕はどう見られてるのか気になったりなんかして・・・。もうすぐ40の王代やで。ホンマどないしよう!そう焦りつつ今月号のターザンを買った僕でした(笑)筋トレ頑張ろ!

  4. shun | URL | -

    Re: 肉屋のショーネン

    こんばんは。

    僕は、今年の年末に九州の実家に戻らなかったので、年越しそばを自分で買いました。
    部屋から駅までの道のりに、そば屋があるんです。
    その店頭で、お持ち帰り用を売ってたんですが、思わず「2つ」と言ってしまいました。
    1つでよかったのに。なんか、とても感じのいい人だったので…。

    それにしても世間はせまいものですね。よほど縁があるのかも…。
    また1つ、Kaztさんの楽しみが増えたでは…?

    今、僕は記事を読みながら、前半の「色黒坊主頭」の彼と、
    後半の「色黒茶坊主」の彼は別人なんだ…?と爆笑しています。

  5. Kazt | URL | -

    けいさんへ

    こんばんは。
    いい男になってれば嬉しいし、
    でなければ寂しいし(笑)
    寂しい方が多いかな、とも思います。。。。

    いっつも同じコト書いてるよなー、
    とも思いつつ、僕もターザンを毎回買ってます。
    筋トレ、頑張りましょうね!

  6. Kazt | URL | -

    shunさんへ

    こんばんは。
    またやってしまった、で修正しました(笑)
    同一人物です、ハイ。

    これもまた縁、って言うんですかね。
    なら嬉しいンですが。
    でもこの日記を書いてから見かけなくなっちゃったンです。
    何で、何で!?

  7. shun | URL | -

    Re: 肉屋のショーネン

    お疲れさまです。

    同一人物だったんですね。

    …えーっ、修正しちゃったんですか??
    「色黒茶坊主」っていう呼びかた、最高でしたよ!
    「色黒…で、茶坊主??」を勝手に想像したりして…。
    また思い出して爆笑してますっ!!

  8. Kazt | URL | -

    shunさんへ

    すんません、修正させてもらいました(笑)
    茶坊主って、僕自身がよく言われてたなー、
    そんなコトを思い出しながら。。。

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